【プロロードレーサーの手記】『僕のジロ・デ・イタリア(山本元喜)』を読んだ話【読めばグランツールがもっと楽しくなる】

自転車の本
EM80によるPixabayからの画像

ロードレースの大会は数多ありますが、特に有名なのがグランツールと呼ばれる3つのレースになります。

フランスで行われる「ツール・ド・フランス」、スペインで行われる「ブエルタ・ア・エスパーニャ」、そしてイタリアで行われる「ジロ・デ・イタリア」の3つですね。

世界最高峰の戦いといっても過言ではないもので、日本人選手の出場はあまり多くはありません。

そんな世界最高峰の戦いの一つである、「ジロ・デ・イタリア」に参加した山本元喜選手が書いていたブログの記事をまとめたもの、それが『僕のジロ・デ・イタリア』という書籍になります。

Kindleでも読めますよ。

内容

「グランツール」と呼ばれる世界的な大会のひとつ、イタリアの「ジロ・デ・イタリア」の2016年大会を、初出場にして完走した山本元喜選手。1991年生まれの彼は、日本自転車史上、最年少でのグランツール完走者である。明るい性格の一方で、レースの極めて詳細なブログを書き続けたことに現れる「記録魔」的な独特のキャラクターが個性的であり、完走を目指す彼の戦略や、映像に現れないジロの現場のプロトンの選手たちの様子が描かれていた。そんな山本選手が、2016年のジロの裏側をリアルに、詳細に描いたスポーツノンフィクション。大学卒のいわゆる「普通の若者」であった彼が、世界的自転車レース、「ジロ」を完走したことを描いた自転車スポーツノンフィクション。

amazonより引用

レースの画像なども挿入されているのでぜひ書籍として読んでみてほしい内容となっています。

感想

ロードレースをテレビやネット中継で見る機会があったとして、選手が何を考えながら走っているのかというのはなかなかわからないものです。

グランツールはおよそ3週間ほとんど走りっぱなし、総走行距離は3000kmを超えます(昔のツールは4000km以上だったことも…!!)。

ホビーレーサーがこれだけ負荷をかけて長期間走り続けることなんてなかなかできませんよね。

そのため、そんなグランツールに参加する中で選手がどのような気持ちや状態になるのかというのがイメージしづらいものとなります。

サッカーなどであれば、レベルはともかくプロと同じ状態で試合をすることが可能です(90分の試合時間は変わりませんよね)。

でも、グランツールと同じ負荷をかけて走ることなんてなかなかできません。

では、そんな過酷なレースに参加している選手が何を考えているのか、それを知ることができるのがこの本の醍醐味です。

各ステージごとにレース距離や起床時の体調や心拍数、そしてレース後には山本選手が感じるキツさレベルが記載されています。

また、レースごとにどんな指示がチームから来るのか、プロトンで選手たちはどんな会話をしているのかも知ることができます。

レースを見ていると集団前方の優勝争いに目が行くものですが、プロトン後方の選手、アシスト選手など出場選手みんなが戦っているんですよね。

そんな選手たちの様子を知ると普段見るレースも見え方が変わってくると思います。

普段見ているロードレース をより楽しくする一冊、オススメです。

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