ツール・ド・フランスの優勝者リストをwikipediaとかでみると、1999年の86回大会から2005年の92回大会まで、「優勝者なし」という言葉が並んでいます。
この期間で驚異の7連覇を成し遂げ、そして後にドーピング問題によりその記録を抹消されたのがランス・アームストロングという選手です。
なぜそのようなドーピング行為に手を染めたのか、どのような手口で行っていたのか、それを描いた映画が『疑惑のチャンピオン』という作品となります。
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あらすじ
1993年にサイクルロードレースの最高峰〈ツール・ド・フランス〉にデビューした若きアメリカ人、ランス・アームストロングは、勝利への飽くなき野心に満ちあふれていた。しかしスイスの薬局で血液中の赤血球を増加させる薬を購入し、レースで優勝した直後、激しく咳き込んで吐血してしまう。医師から、重度の精巣ガンに冒されすでに脳にも転移していると宣告された彼は、絶望のどん底に突き落とされる。過酷な大手術とリハビリを経て快復したアームストロングは、競技生活に復帰しチャンピオンに返り咲くため、スポーツ医学の権威であるイタリア人医師ミケーレ・フェラーリの指導を仰ぐ。フェラーリはサイクリストのパフォーマンスを向上させる独自のプログラムの実践者だった。
amazonより引用
こうして再出発の態勢を整えたアームストロングは、1999年の第86回〈ツール・ド・フランス〉に乗り込み、驚異的な快走を披露して見事に優勝を果たすが、ガンを克服してのセンセーショナルな復活劇にかねてからアームストロングの才能を高く評価していたスポーツ・ジャーナリスト、デイヴィッド・ウォルシュは疑念を抱く。上り坂が苦手だったアームストロングが、短期間のうちにこれほど飛躍的にスピードが上昇するようになったのは、あまりにも不自然ではないかと……。その後も彼は無敵の快進撃を続け、2005年の〈ツール・ド・フランス〉で7連覇を達成。しかし、その偉業と共に巧妙な手口でドーピング検査をすり抜けながら、ウォルシュからの追及を躱し続ける闘いも繰り広げられていた。サイクルロードレース史上に偉大な記録を打ち立てた最強のチャンピオン、ランス・アームストロング。果たして彼は英雄か、それとも……。
感想
自分がロードレースを見るようになったとき、すでにランスはレース界から追放されていました。
ただ、癌からのカムバック、そしてツール・ド・フランス7連覇という偉業、その強さや背景のストーリーから、当時の多くのロードレースファンがランスの活躍に熱狂しただろうことは想像に難くないです。
自分自身も当時レースを見ていたら熱狂していたでしょうし、ファンは選手を信じたいものですよね。
この映画をみると、「ランスはなんて悪いやつなんだ」という気持ちにさせられますが、ランス以外にもドーピングに手を染めていた選手は多かったと言われています。
ランスだけが悪者なのかといえば、他にもやっていた選手もたくさんいて、ランスのドーピングによる活躍で儲ける人もいてと、ロードレース全体の問題でもあるかと思います。
周りがやっているというなら、自分だけがやらないという選択はなかなか取りづらいですよね。
やらないと勝てない、みんなやっている、となると思わず手が伸びるものかもしれません。
映画自体はサスペンスのようなドキドキ感もある映画ですが、見た後は非常に重い気持ちにさせられます。
最近でもドーピングによって処分を受けた選手がロードレースでいましたし、ロシアの国家主導のドーピング問題もありました。
勝利とそこに付随する栄光が大きい分、そのために不正に手を出したいという気持ちも大きくなってしまいます。
今後ロードレースでドーピングスキャンダルがなくなるといいですね…。
ちなみに、もっと最近のドーピング問題を描いた映画として「イカロス」という作品もおすすめです。
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