スポーツバイクのメーカーは数多ありますが、やはり日本で一番見かけるメーカーはGIANTかと思います。
クロスバイクであれば最初の一台に選ばれる方も多いでしょうし、女性向けサイクルブランドであるLivも展開しています。
お手頃価格からハイスペックモデルまで展開しており、本当に自転車好きにとっては馴染み深いメーカーかと思います。
そんなGIANTの歴史が一冊でわかる、それが『銀輪の巨人』という本です。
感想
自分が乗っているロードバイクは残念ながらGIANTではありませんが、GIANTに乗っている方はもちろん、ビジネスマンなどもマジで必読の一冊だと思います。
GIANTというメーカーの創設者は台湾の方で、うなぎの養殖事業など様々な事業を興し失敗。
当時台湾で自転車が流行っていたことから、自転車工場を立ち上げました。
そこから、自転車のOEM生産(他ブランドの製品の製造を手掛けること)を行うことで技術力を高めていきます。
ただ、OEM生産を行っていたブランドがより人件費などが安い中国に製造を移管しようとしていると聞き、そこから自社ブランドとしてのGIANTを立ち上げ、苦戦を続けながらも世界的な地位を高めていきました。
そんなGIANTの企業ストーリーと共に描かれているのが、日本の自転車産業の衰退。
もともと世界的にも生産量が多かった日本ですが、人件費の安い国々にシェアをどんどん奪われていきます。
GIANTもはじめは低価格での製造が強みでしたが、中国の台頭によってピンチになるわけです。
これは完全に日本メーカーと同じですよね。
ただ、日本メーカーの多くが緩やかに衰退していくのと違い、GIANTは自社ブランドの立ち上げ、そして当時の最先端技術だったカーボンフレームへの注力を行うことでこの危機を乗り越えます。
様々な危機に直面しながらその都度乗り越えていく姿は見事ですし、自転車産業について詳しく知ることもできます。
これ読んだらGIANTのロードが欲しくなりました、更には台湾にサイクリングにも行きたくなりますね。
ヨーロッパメーカーでないことから馬鹿にする人も中にはいますが(多くのメーカーのOEM生産もしているというのに…)、すげぇメーカーなんだなと心から感じます。
ぜひご一読ください、ちょっと古い本ではありますが、めちゃくちゃ面白いです。
こちらはkindleでも読めます。
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