日本とイギリスのロンドンを比較し、自転車の交通政策を論じた『自転車が街を変える(秋山岳志)』を読んだ話

自転車の本
Kai PilgerによるPixabayからの画像

日本において、自転車はなかなか肩身が狭い乗り物ですよね。

基本的に車両として車道を走らなければならないものの、歩道走行が黙認されることが多く、どちらで走っても文句を言われることがあります。

そんな日本の自転車状況について、イギリスのロンドンと比較することでその状況を明らかにし、今後どのように自転車を活用していくを示したのが、『自転車が街を変える(秋山岳志)』という本になります。

内容

エコ、健康志向、低成長時代の価値観の変化、そして災害対応。これらの要因が合わさって、昨今、都市部を中心に自転車利用者・愛好者が急増している。一方で、クルマと自転車のみならず、自転車と歩行者の事故も頻発するなど様々な問題も発生しており、その対策は急務である。本書は、自転車を社会インフラの中に位置づけ、自転車とクルマと歩行者が共存できる都市空間を構築するための方策を、国内やイギリスでの現地取材をまじえて多角的に論じる。

amazonより引用

感想

本書の構成としては、日本の自転車環境が現在どのような状態か、そして大都市で自転車の利用が活発なイギリスのロンドンの取り組みを紹介し、日本の自転車利用の今後について論じています。

街中を自転車で走っていると、この交差点はどのように進めばいいんだろうかと悩むことってありますよね。

自分自身も、都内などでは「ルール上はここで信号が変わるのを待つはずだけど、自動車に轢かれる気がする…」とか感じて、結局自転車を押して歩道で歩いた経験があります。

自転車活用が謳われるようになりましたが、なかなか施策に統一感がなく、地域によって道路政策もバラバラな現状が詳しく説明されています。

それに比較されているのがロンドン

東京と同様に人口が集中する大都市ですが、そこで自転車活用をすすめるために行われた政策を見ると、自転車乗りからすると羨ましい気持ちになります。

もちろんロンドンでの自転車利用にも賛否があり、問題点がないわけではありませんが、発生した問題に対して次の施策が打たれる、そのスピード感は日本との違いかもしれません。

最近は日本でも、車道に自転車通行のペイント(矢羽)が増えてきましたし、少しずつ変化してきているのを感じます。

個人の感覚としては、やっぱり自転車が走りやすい環境ができたら嬉しいというのが強いのですが、それだけでなく自動車優先の交通政策が変化することは交通安全にも良い影響を与えるものです。

日本の交通政策が自動車以外の手段にも寛容なものになっていくと嬉しいなと感じました。

普段から自転車に乗っている方にとっては安全のための気づきもある一冊です。

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