自転車を活用するトップランナーの人たちが、自転車の魅力について語り合う、そんな対談本を読みました。
タイトルが意識高そうな感じで、ちょっと敬遠する人もいるかもしれません(『シリコンバレーはなぜ○○なのか』的タイトルって、ちょっと胡散臭く感じません?)
なんか、自転車でマウントを取っている気がするというか、そんな印象を感じるかも。
ただ、中身は単純に自転車好きがざっくばらんに語り合う、そんな一冊です。
内容
エコ、ダイエット、スポーツ、通勤……。
最近、世間が「自転車!自転車!」と騒がしいと思いませんか?
実はそれは、自転車が非常に知的な乗り物だからなのです。
つまり、「デキる人は漕いでいる」ということ。
この言葉に共感する人はもちろん、ピンと来ない人も、
この空前のブームに乗り遅れないために是非、本書を開いてみてください。疋田、片山、今中、勝間、谷垣と言った面々が、
自転車の魅力やその文化、問題点について、
徹底的に話し合っています。そして、読み終えたときにはきっと、あなたの前に新しい世界が広がっているはずです。
amazonより引用
感想
トップランナーとして対談に参加しているのが以下の方々。
疋田智さん
自転車通勤について発信するようになって、今では様々な自転車関連の書籍を執筆。
このブログでも『自転車ツーキニスト』『だって、自転車しかないじゃない』などの著作を紹介しています。
ミラクル・サイクル・ライフという自転車に関するラジオ番組のパーソナリティもやっている方です。
今中大介さん
元プロロードレース選手。
日本人で初めて近代ツールを走った選手で、現在はインターマックスという自転車と関連商品の輸入などを行っている会社を経営しています。
片山右京さん
レーシングドライバーとしてF1などで活躍。
自転車好きで、自転車チームのTeamUKYOを設立しました。
今年(2021年)はTeamUKYO相模原としてJCLに参戦しています。
勝間和代さん
知名度としては一番ありそうですね。
著述家、評論家として様々な本を書いています。
勝間さんのキャリアに憧れた人がカツマーと呼ばれるなんてこともありました。
効率を重視している方、というイメージです(詳しくは知らないのですが…)。
この4名の方が自転車にはまったきっかけや、現在の楽しみ方、どうやったら走りやすい環境が作れるのかといったことについてトークした内容となります。
面白いのが、それぞれ自転車の活用の仕方が違う点。
エクササイズとして楽しむこともあれば、移動効率をあげる手段として利用することもある。
移動手段でもありスポーツでもあるのが自転車の幅広さですし、移動手段としても手軽に利用できるものです。
そのどの部分を重視しているかが、トークメンバーによって個性が出ていて興味深いです。
他にも、都心部で乗る際の注意点などもあります。
「駐輪場を把握する」というのが大事とのことで、これはめちゃくちゃわかります。
自転車でどこか行きたいとき、自転車の保管が悩ましい問題なんですよね…。
そんな、自転車乗りにとって共感や発見に溢れた対談集となっています。
いろんなジャンルの人で対談しているので、そうすると自分では気づかなかった自転車の魅力に気づくことができますね。
さらに、対談だけでなく、そこで出てきた提案内容を衆議院議員(当時)の谷垣禎一氏に持っていき、話を聞くというコーナーも。
残念ながら後に自転車事故によって政界引退されましたが、政界きっての自転車好きである谷垣さんが、政治・行政という立場から自転車に関する問題について論じています。
ついつい政治に対して、自転車のためにあれやれこれやれと言いたくなるものですが、何かを実現することの難しさなども知ることができます。
自転車の楽しみから、自転車を取り巻く様々な問題まで、いろいろな話題が詰まっている一冊です、対談で読みやすいので気軽にぜひ。
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