坂バカ達の戦い『ヒルクライマー(高千穂遥)』を読んだ話

自転車の本
画像出典:ぱくたそ

ひたすら過酷な坂を自転車で駆け上がる、そんなヒルクライム大好きな人を坂バカと呼ぶそうです。

NHKの自転車番組「チャリダー」などでもお馴染みの表現ですね。

そんなヒルクライムに打ち込む人たちを描いた小説、「ヒルクライマー」の感想となります。

あらすじ

物語の中心となるのは、陸上競技にもともと打ち込んでいたものの、大学を中退しぶらぶら状態となっている礼二。

サイクリストだった友人が亡くなり、その形見分けとしてもらったロードバイクを礼二がショップに持ち込み、そのショップチームのメンバーと出会う中で、ロードレース、というかヒルクライムレースにハマっていく物語です。

感想

ショップチームのメンバーも個性的で、みんなが仕事などをしながらそれでも自分の人生の真ん中にロードレースがある。

結果家庭を顧みず家族から総スカンを食らうメンバーがいたり、仕事でのチャンスをふいにするメンバーがいたり。

周りから見れば、なんでそこまでヒルクライムにこだわるのかという感じですが、それぞれが何かしらの思いを持って取り組んでいます。

読んでいて、ちょっとそこまでする意味がわからないですと感じることは自分もありました。

また、主人公がどんどん強くなっていく様子は、ちょっと都合が良すぎるのではと感じることも。

ただ、そうであっても言葉にできない何かを持ってロードレースに取り組むキャラクターは読むほどに愛着が生まれてきます。

なにかにハマるということは、その理由を言葉にすることってなかなかできませんよね。

キャラクターほどでなくても、自分がなぜロードバイクにハマっているのか、こういう理由でハマっていますと説明するのは難しいです。

キャラクターがロードレースにハマっている理由も、言葉にはなかなかできないものの、読んでいく中でなんとなく伝わってくる物語でした。

レースの描写は手に汗握る熱い展開で、読んでいる側も熱くなります。

自分はレースには出ないものの、ホビーレーサーの方などはもっと共感できる物語だと思います。

kindleでもあります。

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