【サスペンス】自転車が活躍する小説をまとめてみた【青春・旅などなど】

自転車の本

自転車の楽しみ方としては、乗る以外にも様々ありますよね。

競技を見るのも一つですし、自転車が重要な役割を持つ映像作品もたくさんあります。

映画作品のまとめ記事はこちら

そして今回は小説をまとめてみました。

暑いとき、雨のとき、疲れているときなど、ちょっと自転車から降りて読書に時間をあててみるのも楽しいかもしれません。

今いる場所とは違う世界を楽しむことができることが小説の醍醐味。

レースを舞台にしたものでも、プロアマ様々、ミステリーもあれば青春ものもあります。

もちろんレース以外でも自転車が活躍する場面はたくさんあります。

それぞれできらりと自転車が活躍する、そんな小説たちです。

サクリファイス

  • 概要:プロロードレースを舞台にしたミステリー、第五回本屋大賞第2位、大藪春彦賞受賞作。
  • 著者:近藤史恵

あらすじ

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと――。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた! 大藪春彦賞受賞作。

amazonより引用

オススメポイント

ロードレース小説でダントツの知名度を誇る本作。

自転車に関心がなくとも夢中になって読めるミステリーとなっています。

ロードレースを普段見なかったとしても、作中で「エースとアシストの関係」「チーム同士の駆け引き」などがさりげなくもわかりやすく説明されています。

まず自転車に関する小説を読みたいと思ったら、これを読んでおけば間違いない、といえる作品です。

自分もこの作品大好きです。

エデン

  • 概要:「サクリファイス」の続編で、前作から3年後、ヨーロッパに舞台を写した作品。
  • 著者:近藤史恵

あらすじ

あれから三年―。白石誓は唯一の日本人選手として世界最高峰の舞台、ツール・ド・フランスに挑む。しかし、スポンサー獲得をめぐる駆け引きで監督と対立。競合チームの若きエースにまつわる黒い噂には動揺を隠せない。そして、友情が新たな惨劇を招く…。目指すゴールは「楽園」なのか?前作『サクリファイス』を上回る興奮と感動、熱い想いが疾走する3000kmの人間ドラマ。

amazonより引用

オススメポイント

前作では日本国内チームに所属をしていた主人公がヨーロッパに活動の拠点を移し活躍する姿を描きます。

プロロードレースでよくあるスポンサー問題やドーピング問題などロードレースファンにとって身近なテーマが取り上げられています。

サクリファイスが気に入った人は必読です。

サヴァイブ

  • 概要:「サクリファイス」シリーズの番外編、短編集。
  • 著者:近藤史恵

あらすじ

団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは――(「プロトンの中の孤独」)。エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。『サクリファイス』シリーズに秘められた感涙必至のストーリー全六編。

amazonより引用

オススメポイント

これまでのシリーズに登場した様々な人物を描く短編集となっています。

「サクリファイス」「エデン」と読んでいく中で好きなキャラクターが色々出てきていると思います、そんなキャラクターたちの意外な過去などがわかるかも。

相変わらず面白い。

キアズマ

  • 概要:「サクリファイス」シリーズとは違う大学生の主人公の物語。ただ、さりげなく知っているキャラも。
  • 著者:近藤史恵

あらすじ

ふとしたきっかけでメンバー不足の自転車部に入部した正樹。たちまちロードレースの楽しさに目覚め、頭角を現す。しかし、チームの勝利を意識しはじめ、エース櫻井と衝突、中学時代の辛い記憶が蘇る。二度と誰かを傷つけるスポーツはしたくなかったのに――走る喜びにつき動かされ、祈りをペダルにこめる。自分のため、そして、助けられなかったアイツのために。感動の青春小説。

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オススメポイント

「サクリファイス」シリーズと同じ世界線の物語ですが、この作品の主人公は大学生。

ほぼシリーズとは別の作品となります(シリーズに出てきた登場人物がちょびっと出てきます)。

プロロードレースではなく、大学での部活動としてのレース。

近い年代の人は特に楽しめる作品だと思います。

スティグマータ

  • 概要:「サクリファイス」シリーズ、主人公はいよいよベテランの年齢に。
  • 著者:近藤史恵

あらすじ

あの男が戻ってきた。三度の優勝を誇ったもののドーピングで全てを失った、ドミトリー・メネンコが。ざわめきの中、ツール・ド・フランスが開幕。墜ちた英雄を含む集団が動き始める。メネンコの真意。選手を狙う影。密約。暗雲を切り裂くように白石誓は力を込めペダルを踏む。彼は若きエースを勝利に導くことができるのか。ゴールまで一気に駆け抜ける興奮と感動の長篇エンタテインメント。

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オススメポイント

再び「サクリファイス」シリーズに登場人物が戻ります。

ドーピングによりこれまでの勝利を剥奪された往年の名選手が復活、ツールを走ります。

チームには過去に因縁のあるメンバーも。

なぜレースに復帰したのか、因縁あるメンバーがなぜチームメイトになったのか、という謎が明らかになっていくというミステリー。

謎が明らかになるという面白さとレースの興奮が相変わらず両立されています。

2022年7月現在シリーズはここで止まっていますが、新作が出て欲しいと強く感じますね。

ヒルクライマー

  • 概要:ヒルクライムレースに情熱を傾けるホビーレーサーたちの物語。
  • 著者:高千穂遙

あらすじ

妻も娘も顧みず、四十歳で出会ったヒルクライムに全てを賭ける男。マラソンを捨て目標を失い、大学も中退した青年。そして二人を取り巻く坂馬鹿たち。彼らは坂の頂点を目指しひたすら登り続ける。「なぜ坂に登るのか?」それはロード乗りが必ず一度は直面する問いだ。なぜ重力の法則に逆らい、息も止まるほどの苦しさに耐えなければならないのか。長い坂を登りつめた果てに、待つものは何なのか。自転車で山に登る面白さに取り憑かれた作家が、自らの体験を元に描き尽くした日本初の本格ヒルクライム小説。坂に魅せられた者たちの、魂と肉体の再生の物語。

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オススメポイント

プロではなく、ホビーレーサーが日常に向き合いながらヒルクライムレースの準備をしていきます。

登場人物たちと同じようにレースなどに参加している方は多くの場面において共感できるかもしれません。

レースにのめり込みすぎたらどうなるのか、なんて発見もあるかも。

イノセントツーリング

  • 概要:大学時代の親友を亡くした主人公が、その親友の夫と息子、3人でツーリングに出る。
  • 著者:湊ナオ

あらすじ

緊急事態宣言が明けて2020年も夏を越え、大学時代の親友の夫とその息子と、紀伊半島のツーリングに出かけることになった。若くして命を落とした親友との約束を果たすため、そして、ひとり親で育った息子が母を新たに知るため。就職氷河期世代が親になっての心情もそこはかとなく漂うハートウォーミングなロードムービー風の小説が本書。日常の景色だけでなく生活スタイルも変わってしまった。変わらざるをえなかった。リセットするにしても、調子を取り戻すためにも、記憶の底に押し込めてしまった大切なものをもう一度見つけ出して、新たに前に進もう。コロナ禍でぽっかり出現したつかの間の人生の空白期間。みーんな元気の在庫がなくなった。でも、だから……3人それぞれが生きるために必要なささやかなものを見つけた、数日間の旅の物語。

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オススメポイント

親友を亡くした主人公、そしてその親友の夫と息子。

身近な存在を失ったという共通点をもった3人が、かつて親友が走った道をツーリングする、いわゆるロードムービー的な物語となります。

ツーリングを通して少しずつ悲しみに向き合い、立ち上がっていく姿は心温かくしてくれます。

今の日常に閉塞感を感じている、そんな人の背を少し押してくれる作品だと思います。

走ル

  • 概要:高校生がロードバイクに乗り、ただなんとなくひたすら北上を続ける物語。人との出会いもほとんどない異色作。
  • 著者:羽田圭介

あらすじ

なんとなく授業をさぼって国道4号線を北に走り始めただけだった…やがて僕の自転車は、福島を越え、翌日は山形、そして秋田、青森へと走り続ける。彼女、友人、両親には嘘のメールを送りながら、高2の僕の旅はどこまで続く?21世紀日本版『オン・ザ・ロード』と激賞された、文藝賞作家の話題作。

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オススメポイント

ソロでサイクリングをする人は読んでほしい作品。

なんとなく学校をサボって、なんとなくどんどんと北上していきます。

この行き当たりばったりの旅で、素敵な出会いがあるというわけでもありません。

一人で自転車を漕いでいると、ひたすらよくわからないことを考えていると思いますが、それを本にした、という感じ。

ドラマチックな出来事も大してないのですが、気づけばどんどん読んでしまう謎の魅力に満ちた作品だと思います。

エスケープトレイン

  • 概要:若手プロロード選手がベテラン選手との出会いによって成長していく物語。
  • 著者:熊谷達也

あらすじ

小林湊人が所属するエルソレイユ仙台に、梶山浩介が電撃加入することになった。梶山は長年ヨーロッパで活躍し、ツール・ド・フランスにも出場したレジェンドだ。引退も囁かれていたのに、なぜ日本の新参チームに……? 梶山の加入で“天然”な湊人は覚醒できるのか? 疾走感溢れるレースの裏で繰り広げられる人間ドラマの面白さ。傑作スポーツ小説!

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オススメポイント

プロロード小説で、「サクリファイス」シリーズにハマったならぜひ読んでほしい一冊。

ベテラン選手との出会いによって才能を開花させていく姿は「弱虫ペダル」にも通じるものがあるかもしれません。

セカンドウィンド

  • 概要:青春スポーツ小説、全3巻。
  • 著者:川西蘭

あらすじ

競売で手に入れた元郵便配達用の自転車をこよなく愛する鳴滝村の中学生・溝口洋。春休みの一日、雲見峠でロードバイクの集団に出会い、その速さに圧倒された瞬間から、洋の青春のギヤは回り始めた。
初めての自転車レースに出場し、名門・南雲デンキ自転車部ジュニアクラブの練習に通い始めた洋。そこで自転車に青春をかける仲間たちとの出会い、反目、初めての熾烈な競争、そして別れを経験する。
夏休み、気ままな自転車乗りに戻った洋は、清姫峠で天才的なヒルクライマー・田村岳と出会った。岳の父の経営する自転車店でバイトしつつ、いつしか友情と自転車への思いを深めていく。そして夏の終わり、洋は岳とともに伝説の激坂「メデューサの一瞥」「天狗の蹴落とし」に挑戦する。
自転車のように、時に加速し減速し、壁にぶつかり、でも着実に前進していく少年たち。峠の先に待つ未来を夢見る少年たちの輝くような一瞬一瞬を描いたこの作品は、スポーツ小説の枠を遠く超えて、読む者の心をとらえて離さない。

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オススメポイント

自転車好きの中学生がロードバイクに出会い、レースにのめり込んでいく姿を描いています。

出会いと別れ、挫折からの立ち上がりなど青春物語一直線の作品。

爽やかな物語を読みたい、というときにぴったりの作品です。

風のヒルクライム ぼくらの自転車ロードレース

  • 概要:ヒルクライムレースに参加する、ギクシャクとした関係の親子など様々な人間の群像劇。
  • 著者:加部鈴子

あらすじ

山や丘陵の上り坂に設置されたコースを走る自転車ロードレース=ヒルクライム。
13歳の誕生日、突然ロードバイクを医師の父親から贈られ戸惑う少年・涼太は、その一方的なやり方に反抗心を覚えたことから、勢いでレースに出ることに。
両親に夢を託されている同級生、ママチャリに学生服のままで激走する高校生、涼太父の元患者父娘、ボランティアスタッフの女子高生…。
さまざまな人々の思いをレースの過程でつなぐ、息もつかせぬ展開。さわやかな自転車疾走小説!

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おすすめポイント

児童文学で読みやすい作品です、2~3時間で読み終わるくらいかと。

専門用語もなく、ヒルクライムを頑張る中で変化する親子の関係など、ほっこりする物語。

日常に疲れている大人が読めば、ちょっと癒やされる優しい作品となっています。

青の炎

  • 概要:サスペンス小説、映画化もされた作品。
  • 著者:貴志祐介

あらすじ

櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを……。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。

amazonより引用

オススメポイント

主人公が乗っているのがロードバイク(作中表記はロードレーサー)。

主人公が行おうとする完全犯罪、その計画に関わってくるものとなります。

自転車に乗る喜びとか、そういったものがテーマの物語ではありませんが、サスペンスとして読み応えがある作品ですね。

ぼくとペダルと始まりの旅

  • 概要:家族の死をきっかけに、自転車で旅にでる旅小説。
  • 著者:ロン マクラーティ

あらすじ

スミシー・アイド、独身、体重126キロ。仕事は退屈、酒とジャンクフードにまみれ、オタクで半分ひきこもり。突然の事故で両親を失くし、さらに父の遺品の中から現れたのは、消息不明だった姉の死亡通知。天涯孤独になったスミシーは、姉の眠るLAへと、自転車を漕ぎ出す。大陸横断旅行の行方は。後悔ばかりの人生は逆転できるのか。魂を揺るがす感動の物語。『奇跡の自転車』改題。

amazonより引用

オススメポイント

姉の死の連絡を受け、怠惰な日常を過ごす主人公が自転車での旅にでます。

そこで様々な人と出会い、家族との思い出を振り返っていきます。

長い旅の中で主人公が少しずつ変わっていく姿に心温まる物語です。

今現在に不満がある、過去に後悔がある、といった時に読みたいですね。

楕円の柩

  • 概要:短編集「密会」に収録。
  • 著者:吉村昭

おすすめポイント

吉村昭といえば、「戦艦武蔵」などの戦記小説、「熊嵐」といった動物(自然)小説、漂流小説など多岐に渡って執筆しています。

歴史をテーマにした作品が多いイメージがあるかもしれませんが、意外にスポーツ小説も書いています。

吉村自身が大病を経験しており、生と死について描くことが多く、命がけで闘うスポーツもテーマとなったのかもしれません。

「楕円の柩」も短編ですが、死の危険の中で闘う競輪競技者の姿を描いています。

これを読んで「自転車に乗りたい」とはならないとは思いますが、生と死についてふと考える、そんなときにぜひ読んでみてもらいたい作品です。

まとめ

ここまで14の作品をまとめてきました。

もちろん、これ以外にも様々な作品がありますし、読んだらどんどん追加していきたいと思います。

自転車は乗ってなんぼのものですが、疲れているときや天気が悪いときなどはゆっくりこのような作品を読むのも楽しいものです。

未読の作品ありましたらぜひ一読を。

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