自転車ロードレースにはこれまでドーピングスキャンダルが密接なものとして存在してきました。
ランス・アームストロングがその象徴と言えるかもしれませんが、それ以外にも多くの選手がドーピングに手を染めてきたと言われています。
じゃあ、ドーピングをしたらめちゃくちゃ強くなるのだろうか、という疑問を持ったことはないでしょうか?
それを実際にやってみる、というところから始まった映画が、この『イカロス』という作品になります。
こちらはNETFLIXで視聴が可能となっています。
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あらすじ
ロシア人科学者が暴露した国家ぐるみのドーピング。プーチンにとって最悪の内部告発者となった男の証言に米国人自転車選手が迫り、アカデミー賞を獲得した作品。
NETFLIXより引用
スポーツドキュメンタリーの映画となります。
監督は自身がアマチュアの自転車選手。
ロードレースに参加するにあたり、自身でドーピングを行ってみてアンチ・ドーピング検査をパスできるか、つまりバレずにドーピングが可能なのか、そして競技パフォーマンスにどのような影響が出るのかを試してみようとします。
そのドーピング行為のため協力を仰いだのが、ロシアの反ドーピング機関の所長。
そこからドーピングの実施が始まるのですが、それだけでなくロシアがオリンピックにおいて国家主導でドーピング行為を行っていたことが明らかになってきます。
ロシアの反ドーピング機関の所長は監督に手引され亡命、そしてドーピング行為の告発がなされます。
感想
ドキュメンタリー映画と言われると敬遠する人もいるかと思いますが、この作品はとにかく面白い映画でした。
ドーピングを試す、というところから国家のドーピング疑惑に迫っていく流れになっていくのはまるでサスペンス映画。
東京オリンピックでは「ロシア代表」ではなく「ロシアオリンピック委員会」として選手たちは出場していましたが、これはドーピング問題によってのものとなります。
そのドーピング問題がどのようなものだったのか、ということを理解するのに大変わかりやすい映画となっています。
また、自転車乗りとして気になるのは、「ドーピングをしたら速くなるのか」という点。
自分自身でドーピング行為を試した作品の監督がどうなったのか、これはぜひ映画を見てもらえればと思います。
ロードレースの現場においても、未だにドーピング問題は取り沙汰されます。
2021年のジロ・デ・イタリアではドーピング問題によって出場を辞退するチームが出ました。
ランスの時代でドーピングが終わったわけではありません。
何がアスリートをドーピングまで駆り立てるのか、その理由も感じることができる映画となっていると思います。
しかし、この映画を見るとアスリートみんながドーピングしているんじゃないかとすら感じてしまうかも。
どんな競技であれ、フェアにクリーンになってほしいものですね。
ロードレースが好きな人のみならず、東京オリンピックで盛り上がったという人も楽しめる作品です、オススメ!!
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